ランチョンセミナー(11月8日) 協賛:医療法人 AGRIE
【講演タイトル】
36拠点における看護師主導日本式在宅入院モデルの全国展開
【講演者】
伊藤 俊一郎 医療法人 AGRIE 理事長
【座長】
岡山 久代 筑波大学医学医療系 教授
【背景】医療費適正化に伴う在院日数短縮と病床削減が進む中、術後管理や周産期・慢性疾患急性増悪を自宅で安全に支える体制整備が急務である。AGRIEグループは2015年創業以来、1都7県36拠点で約9,000名に24時間対応の在宅医療を提供し、遠隔医療アプリ「リーバー」を軸に看護師—医師協働体制を築いてきた。
【目的】全拠点で実装した“日本式在宅入院”モデルの運用実績を共有し、看護師主導ケアの 有効性と今後の展望を示す。
【方法】2025年1月~2025年5月に看護師が医師と連携し24時間訪問とオンライン診療を組み合わせた患者を後方視的に解析。主要評価項目は30日再入院率、夜間往診回避率、患者・家族満足度(5段階)。IoTバイタルモニタリングは未導入で、看護師の臨床判断とアプリ入カデータを活用した。
【考察】ICTを補助線に看護師が情報ハブとなることで、医師負荷軽減と患者中心ケアを両立できた。グループ内IT企業(リーバー社、PTV社)との連携により、今後は在宅IoTモニタリングを加え更なる早期介入と品質保証を図る予定である。
【結論】AGRIEグループの全国展開モデルは、病床削減時代における持続可能な在宅入院の実装例となり得る。看護師主導の標準化プロトコル確立と公的報酬体系の整備が喫緊の課題である。